パンやヨーグルトに合わせるジャムを選ぶとき、注目すべきポイントの一つがジャムの糖度です。
糖度は味わいだけでなく、保存期間や健康面にも大きく関わります。特に低糖度ジャムは果実本来の風味を楽しめますが、保存期間や扱い方に違いがあります。
本記事では、ジャム 糖度の基礎知識から、保存や選び方のコツを解説し、最後に低糖度のおすすめジャムをご紹介します。
ジャムの糖度に関する基礎知識と種類
低糖度ジャムの特徴と魅力
ジャムには「糖度」という、甘さや保存性を示す数値があります。これは20℃の状態で、専用の計測器(糖用屈折計)を使って測ります。
日本では「日本農林規格(JAS)」というルールで、糖度が40%以上あるものをジャムと呼び、さらに果実の割合にも決まりがあります。
一方、海外の国際基準「CODEX規格」では、ジャムやゼリーの糖度は60〜65%が基本です。特別な場合だけ40%以上でもOKとされています。
そのため、海外のジャムは日本のものより甘めで、長く保存できるように作られていることが多いです。
低糖度ジャム(糖度40〜55%未満)は、砂糖の量が少ないため、果物本来の香りや酸味が引き立ちます。甘さ控えめで素材の風味をしっかり楽しめるのが魅力です。
ただし砂糖が少ない分、ジャムを固める「ペクチン」や酸(レモン果汁など)とのバランスを工夫して作る必要があります。
砂糖には水分を閉じ込めて保存性を高める働きもあるので、低糖度ジャムはその効果が弱くなります。そのため、作るときはしっかり加熱殺菌したり、容器を密封したり、保存方法にも気をつける必要があるのです。
以下は、日本でよく使われる糖度ごとの特徴をまとめた表です。
糖度 | 糖度の目安 | 味の特徴 | 保存性 |
---|---|---|---|
低糖度 | 40〜55% | 果物の香り・酸味が強い | 保存期間はやや短め |
中糖度 | 55〜65% | 甘さと果物感のバランスが良い | 比較的安定 |
高糖度 | 65%以上 | 甘みとコクがしっかり | 長く保存しやすい |
低糖度ジャムは健康志向や自然志向の高まりとともに注目を集めていますが、製造時の技術レベルや保存管理の難易度が高く、一定以上の品質を確保できるメーカーは限られています。
ジャムの糖度にまつわる保存期間と品質の関係
砂糖には、食品の中の水分を結びつけて微生物が増えるのを防ぐ働きがあります。ジャムも同じで、砂糖と加熱による濃縮を組み合わせることで、未開封なら長く保存できるようになります。
ただし、低糖度ジャムは砂糖の量が少ないため、この保存効果が弱くなります。そのため、長持ちさせるには別の工夫が必要です。例えば、加熱殺菌(短時間で高温にする)、空気を抜いて密閉する、容器自体の殺菌やしっかりしたフタの密封、出荷や保管時の温度管理などが大切になります。
開封後は、どうしても品質が早く落ちてしまいます。専門家によると、未開封なら直射日光を避けた涼しい場所で保管できますが、開けたら必ず冷蔵庫に入れ、使うときは清潔なスプーンを使うのがおすすめです。
容器のふちや中に水分やパンくずが入るとカビの原因になるので注意しましょう。きちんと管理しても、低糖度ジャムの場合は開封後2〜4週間ほどで食べきるのが目安です。
業界のまとめでは、瓶入りジャムの賞味期限は糖度や容器の種類によって違います。高糖度や中糖度なら未開封で1〜2年ほど、低糖度は6か月〜1年ほどに設定されることが多いそうです。ただし、これはあくまで未開封の場合の目安で、開封後はできるだけ早く食べきることが前提です。
糖度計算の基本的な方法
ジャムの糖度は、原料の配合と仕上げの濃縮具合で決まります。
まずは基本の計算です。
果物に含まれる糖分と、加える砂糖の量を足して、仕上がりの全体量で割ります。
例えば…
- 果物 1000g(糖度10% → 糖分100g)
- 砂糖 500g(糖分500g)
この場合、糖分の合計は600g。
仕込み段階の総重量は1500gなので、糖度は約40%です。
ここから水分を飛ばして最終重量を1000gくらいにすると、糖度は約60%に上がります。
ただし、これはあくまで計算上の目安です。
実際の糖度は「屈折計」という計測器で測って確認します。
日本のJAS規格では、20℃に温度をそろえて測定することが決められています。
低糖度ジャムの選び方とおすすめのジャム

健康志向に合う低糖度ジャムの選び方
低糖度ジャムは、果物本来の香りや酸味をしっかり残したものが多く、砂糖を控えたい方や自然志向の方に人気があります。
最近では、砂糖の代わりにオリゴ糖、きび砂糖、はちみつなどを一部使って甘さをつける商品も増えています。こうした甘味料は風味が豊かになりますが、普通の砂糖よりも保存性が少し劣る場合があるので、その点は知っておくと安心です。
選ぶときは、まずパッケージの原材料表示を見てみましょう。果物の割合が高く、液糖や異性化糖といった安価な甘味料を使っていないものは、果物の自然な味が活きやすく、香料や着色料に頼らない自然な風味が期待できます。
また、ペクチンや酸味料の使い方にも注目してください。ペクチンは果物にもともと含まれる天然成分で、ジャムを固める働きがありますが、果物の量を減らすために多く入れられてしまうと、果物感が薄い食感になることもあります。
保存面では、低糖度ジャムは高糖度のジャムに比べてカビや発酵のリスクが高いため、開封後は必ず冷蔵庫に入れましょう。使うときは清潔なスプーンを使い、容器のふちについたジャムはきれいに拭き取るなど、小さな工夫が長持ちにつながります。
こうした管理をしっかりすれば、低糖度ジャムのフレッシュな風味を最後までおいしく楽しめます。
糖度50%砂糖不使用・無添加 Andante(アンダンテ) のジャム
最後に紹介するのは低糖度を白砂糖不使用、無添加で実現したAndanteのジャムです。
白砂糖の代わりに天然由来のオリゴ糖シロップのみを使い、保存料・香料・着色料も一切不使用。
果実本来のとろみを生かすためペクチンさえ加えず、瓶を開ければフルーツそのものの香りと色がぱっと広がります。低糖度(約50%)だから甘さは控えめ。それでいて果肉はごろっと、風味は濃厚。
パンやヨーグルトはもちろん、料理のソースにも使いやすく、家族で毎日楽しめるごちそうジャムとして人気が出ています。
ここでは、Andanteジャム中で人気の3種をご紹介します。
まずは、福岡県産「あまおう」を贅沢に使ったのあまおう苺のコンフィチュールです。
次に福岡、熊本、大分県産のブルーベリーを使用した、香り豊かなブルーベリージャム。
最後に、柑橘系の爽やかな味わいが楽しめる、不知火オレンジマーマレードです。
3つのジャムの実食レビューの記事の記事もありますので、合わせてご覧ください。

まとめ:ジャムの糖度を理解して賢く選ぶ
この記事では、ジャムの糖度の基礎知識から、糖度別の特徴や保存のコツ、さらに低糖度ジャムの選び方とおすすめ商品までを解説しました。
最後に記事のポイントをまとめます。
- ジャムの糖度は味・保存性・健康面に関わる重要な指標
- 日本ではJAS規格で糖度40%以上をジャムと定義
- 海外のCODEX規格では糖度60〜65%が基本
- 海外製ジャムは甘めで保存期間が長い傾向がある
- 低糖度ジャム(40〜55%未満)は果物の香りや酸味が強く出る
- 低糖度ジャムは砂糖が少ない分、保存性が低い
- 未開封なら低糖度ジャムの賞味期限は6か月〜1年程度
- 高糖度ジャムは未開封で1〜2年保存できる
- 低糖度ジャムはオリゴ糖やはちみつなど多様な甘味料を使用する場合がある
- ペクチンを多用したジャムは果物感が薄くなる傾向がある
- 保存時は容器やフタの殺菌・密封管理が重要
- Andanteのジャムは白砂糖不使用でオリゴ糖のみを使用
- Andanteのジャムは無添加で果物本来の香りと風味が楽しめる
- Andanteのジャムは糖度約50%で甘さ控えめ
いかがだったでしょうか。ジャムの糖度を理解することで、味わいや健康面、そして保存方法まで含めて、自分に合ったジャムをより選びやすくなります。
ぜひ、あなたのライフスタイルに合った糖度のジャムを選んで、毎日の食卓をより豊かに楽しんでみてください。